FLUENTE店長の四方山話

自転車について徒然につづっています。

完組ホイールの点検・調整


FLUENTEでは完組ホイールの点検、調整を承っております。
FLUENTEまでご相談ください。




FLUENTE
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お客様より、完組ホイールの点検・調整を承りました。

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SHIMANO WH9000-C35-TUです。

クリテリウムに出場したところ、掛かりと反応が悪過ぎるので改善できないかとのご相談です。

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お客様は、WH7900-C35-TU もお持ちで、比べると 9000 の掛かりの悪さがハッキリと分かるとの事でしたので、比較のために WH7900-C35-TU もお持ち込みいただきました。

点検してみると、9000 のスポークテンションが低く過ぎでした。
オプトパルで2:1のスポークパターンにしては、ノンドライブ側のスポークテンションが低く、センターはほぼ出た状態なので、ドライブ側のスポークテンションも低い状態です。
7900 の方は、経年変化でスポークテンションが低下している状態でした。

比較のために試乗してみましたが、スポークテンションの低下した 7900 に比べても、9000 は掛かりと反応が悪く、踏んでもダイレクト感がありません。

スポークテンションが低過ぎる事が原因の一つなので、振れ取りとセンターを出しながらギリギリまでスポークテンションを高めることにしました。
リヤホイールのリムが、蛇行を始めながらもブレーキでは感じ取れない程度のスポークテンションまで高めました。
フロントホイールも、リムが蛇行を始めながらもブレーキでは感じ取れない程度のスポークテンションまで高めてあります。

試乗すると、スポークテンションを高めめる以前よりも掛かりは良くなりましたが、スポークテンションが低下している 7900 と比べると、同程度には届いていませんでした。

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7900 なら、一般的なストレートスポークを採用しているので、より直径の太いスポークに変更して組み直す事もできますが、 9000 は、回り止め形状の専用スポークが採用されているために、スポークを変更して組み直す事ができません。

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駆動方向の剛性を向上させるため、通常編んでいないドライブ側のスポークを一度バラして、編んでから組み直し結線処理をしました。
試乗すると、スポークテンションの低下した 7900 の掛かり方には届いていないもののかなり改善しました。
これは、お客様にも確認していただいています。

7900 は、フロント、リヤ共に、経年変化でスポークテンションが低下しているので、スポークテンションを高める方向で調整しました。
フロントホイールは、リムが蛇行を始めながらもブレーキでは感じ取れない程度のスポークテンションまで高めました。9000 のフロントと比べると 7900 の方が若干スポークテンションを高める事ができました。
リヤホイールは、新品時よりもわずかにスポークテンションを高めてありますが、リムは蛇行しませんでした。

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9000は、オプトパルで2:1のスポークパターンでオフセットリムに変更されているので、リヤのリムを単純に比較はできませんが、ほぼ同形状のフロントホイールを比べると 9000 は 7900 よりもリムの剛性が低下したように感じます。

スポークテンションを高めた 7900 は、掛かりが更に向上して、私程度の脚力では全く問題ありませんでした。

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お客様は、WH9000-C24-TU もお持ち込みされています。
こちらも、掛かり方を改善して欲しいとのご依頼です。

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リムホイールは、C35 と同様にドライブ側をバラして、スポークを編んでから組み直し、結線処理をしました。
フロントホイールは、スポークテンションを高めるしか方法がありませんが、振れ取り台で点検したところ、リムの蛇行が始まっていました。
わずかにセンターのズレがあったので、センターを出しながらリムの蛇行がひどくならない範囲でスポークテンションをわずかに高めてあります。

全てのホイールのハブをオーバーホールしましたが、WH9000-C35 のフロントホイールと WH9000-C24のリヤホイールの球当たりの感触は、DURA-ACE グレードのハブとは思えないほどキツイものでしたので、C35、C24共に、フロントとリヤの球押しを入れ替えて球当たりの状態を改善しています。

WH7900-C35-TU のハブは、何年か使用していて、フロントハブもリヤハブもまずまずの当たりが付いているので、質の良いグリスを充填して調整しました。