FLUENTE店長の四方山話

自転車について徒然につづっています。

ステム引き上げボルトの交換とウスの改修

 

お客様より、ステムの引き上げボルトをねじ切ってしまったのでステムを交換して欲しい、とのご依頼を承りました。

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ステムは、チネリ1Aブラックカラーです。

 

チネリ1Aステムは、近年復刻生産されていますが、シルバーカラーしか用意されていません。

自転車の組み付けのバランスを変えないために、引き上げボルトを交換して同じステムを使用できるようにします。

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ねじ切れた引き上げボルトとウスを回収して確認すると、引き上げボルトのネジの直径はφ7mmでした。

ウスの形式は台ウスです。

1Aステムの引き上げボルトは補修部品としては入手できません。

他のステムの引き上げボルトを流用しようとしても、入手可能な引き上げボルトでネジ径が7mmのものはありません。

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手持ちの引き上げボルトとウスはネジM8×1.25(ネジの直径がφ8mm、ピッチが1.25mm)、ウスは斜ウスです。

 

M8の引き上げポルトを1Aステムに入れたところ、ボルトの頭はステム上部の座グリ部から殆ど飛び出さずに取り付き、長さも使用できる範囲ですある事が確認できました。

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1Aステムを斜めウス式に改造して、手持ちの引き上げボルトと斜めウスの使用に変更するよりも、台ウスのネジをM8×1.25に改修した方が簡単に早くできます。

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台ウスのネジ穴を、ドリルでM8×1.25のタップの下穴寸法に拡張して、タップで新たなネジを立てたました。

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これで、手持ちの引き上げボルトと1Aステムの台ウスを、組み合わせて使用することができます。

 

1Aステムブラックカラーに組み付けて、ステムを自転車に取り付け、引き上げボルトを閉めてステムを固定しました。

ステムを固定するために引き上げボルトを締め上げた感触は、ネジ径がM8と太くなったためかなり剛性感が高まり、より確実に固定できるようになりました。