FLUENTE店長の四方山話

自転車について徒然につづっています。

完組ホイールの調整

お客様より完組ホイールの調整を承りました。

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ZIPP 303 Firecrest です。

フレが出ているので調整するのに加えて、もがくとフロントホイールのリムがシュータッチするので、できるだけスポークテンションを高めて欲しいとのご依頼です。

前後のホイールともスポークテンションを確認したところ、確かに前後ホイール共に、スポークテンションがかなり低い状態です。
フレを取りつつスポークテンションを高めていく事にしました。

303 Firecrest のリムは非常に剛性が高く、スポークテンションはスポークが切れるまで高める事ができます。
スポークテンションに比例してホイールの剛性が向上する訳では無く、ある点からスポークテンションを高めてもホイールの剛性にどんどん還元されなくなっていくので、スポークが切れるギリギリまでスポークテンションを高めてもあまり意味が無いばかりか、スポークトラブルが頻発しかねません。
今後の調整代を残す範囲で、スポークテンションが高めになるように調整しました。

前後ホイール共に、わずかなセンターズレとやや大きめの縦横のフレがありましたが、全て無くなるよう調整できました。
フロントホイールはスポークの本数が18本なので、スポークテンションを高めにするとリムが蛇行するかも思っていましたが、リムの剛性が高いため蛇行はしませんでした。

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リムのブレーキ面にカンパのカーボンリムに良く似た処理がされていたので、お客様に聞いてみたところ、雨のブレーキングでは処理されて無いリムよりはブレーキの効きは良いが、アルミリムには及ばないとのことでした。

後日、お客様に調整後のインプレッションを伺ってところ、前後ホイール共に剛性感が大きく向上し、全くの別物になったとのことです。
フロントホイールのシュータッチは起きなくなりました。