FLUENTE店長の四方山話

自転車について徒然につづっています。

カンチブレーキの調整



FLUENTEでは、ブレーキのセッティングのご相談を承っております。


ブレーキの効きの改善だけで無く、ブレーキレバーのタッチの調整やブレーキシューやブレーキパッド、ディスクプレートの変更によりブレーキのコントロール性の調整も可能です。


特に、ドロップハンドルの場合は、ブレーキレバーの位置の調整で、ブレーキの掛け易さやライディングフォームにまで影響が及びます。


FLUENTEにご相談ください。

FLUENTE
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お客様よりシクロクロス車のカンチブレーキの調整を承りました。

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テクトロのカンチブレーキが採用されています。

フロントブレーキをもう少し効く様にしたいということと、リヤブレーキのタッチがスポンジーでコントロールがやり難いので調整して欲しいとのことでした。

フロントブレーキに比べるとリヤブレーキは、レバーからブレーキ迄のワイヤーが長く、アウター受け等の影響によりブレーキタッチがスポンジーになり易い状況にあります。

今回の調整では、フロントブレーキの効きの向上とリヤブレーキタッチのダイレクト感を向上させるだけで無く、フロントブレーキとリヤブレーキの効き具合のバランスも調整することにしました。

お客様に確認したところ、フロントブレーキをコントロールすることで、ブレーキングを行っているとのことでしたので、フロントブレーキは効きを確保しながらブレーキタッチを悪化させないように、リヤブレーキは、ブレーキタッチのダイレクト感を向上させながら、効き具合をフロントブレーキの効き具合とのバランスをとるように調整することにしました。

テクトロのこの型のカンチブレーキは、ブレーキシューの固定がVブレーキと同じタイプなので、ブレーキ台座の寸法によってはシューの突き出し寸法の調整が実質的にはできないことが多く、今回もシューの突き出し寸法を変更することはできませんでした。

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ブレーキシューがギロチンボルトで固定するタイプのカンチブレーキなら、シューの突き出しを大きく調整することができて、ブレーキアームの角度を含めてブレーキの効き具合とブレーキタッチの調整ができるので、今回よりも追い込んだ調整と設定が可能です。

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ブレーキの効きとブレーキタッチの調整は、アーチワイヤーとチドリを古典的なタイプに変更することで行いました。
チドリの位置の高さを調整することで、ブレーキの効きとブレーキタッチを調整することが可能になります。

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テクトロのこの型のカンチブレーキには、シマノのユニットリンクと同じタイプのアーチワイヤーが採用されています。これは、チドリに当たる部分の位置が調整できません。

古典的なタイプのアーチワイヤーとチドリの組み合わせにすると、アーチワイヤーを外し易く、外した後アーチワイヤーがチドリ上を移動することでブレーキ本体が大きく開きタイヤと干渉することが無いので、ホイールの着脱がやり易くなります。

フロントブレーキは、ブレーキタッチのダイレクト感が十分にあり、むしろタッチがダイレクト過ぎて効かない感じだったので、レバー比を高める方向にチドリの位置を調整してブレーキタッチをソフトにしながらブレーキの効きを向上させるように調整しました。

リヤブレーキは、レバー比を下げる方向にチドリの位置を調整して、フロントブレーキとレバータッチを揃えながらブレーキの効き具合はフロントブレーキよりも落とすように調整しました。
リヤブレーキ単体での効き具合は、リヤブレーキレバーだけをフルに操作した場合、ホイールをロック状態にできるだけの効き具合は確保してあります。

ブレーキング時には、フロントブレーキのパワーによりフロントに大きく荷重が移動します。そのとき、リヤタイヤの荷重は減少してグリップ力が低下し、リヤホイールはロックし易くなっています。
ブレーキを効かせれば効かせるほど、荷重はフロントタイヤに移動し、リヤタイヤの荷重は減少しリヤタイヤのグリップ力は低下してしまい、さらにロックし易くなっています。
ブレーキング時にはこのような現象起きるので、フロントブレーキは効き具合とコントロール性を重視した設定に、リヤブレーキはコントロール性と十分な効き具合ながら効き過ぎない設定にしておくとブレーキング時のコントロールがやり易くなります。