FLUENTE店長の四方山話

自転車について徒然につづっています。

完組ホイールのオーバーホール



FLUENTEでは、自転車の組み替え、組み上げ、オーバーホールを承っております。
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お客様より、完組ホイールのオーバーホールを承りました。

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SHIMANO WH-9000-C30-CLです。

全く別件の作業を承ったロードバイクのホイールなのですが、作業中に後ホイールを空転させたところ、DURA-ACE グレードのハブとは思えない反響音がサドル周りからしました。
ハブ内部の異状を確信させるような音でしたので、お客様と相談してハブをオーバーホールして リムの振れとセンターを調整することにしました。

後ハブを分解してみると、デジタルアジャストシステムの球押しが締め付け過ぎでした。
お客様自身が、1度ハブのグリスアップを行ったことが有るとのことなので、組立、調整のときに球押しを締め付け過ぎてしまったことが原因のようです。
ハブの内部には、それ以外に異状は認められませんでした。

DURA-ACEグレードのハブはワンと球押しが精密研磨されています。
球当たりがかなりキツイまま使用していたために、ワンと球押しにやや幅の広い線状跡が付いています。
このまま使用した場合、線状跡が虫食いに発展する可能性がある状態でした。
フリーボディも含めて格部品を洗浄し、質の良いグリスを充填して組み上げ、調整しました。
指でハブシャフトを持ってホイールを回転させると、僅かに回転に濁りが感じられましたが、グリスと添加剤が馴染むと改善されるはずです。

前ホイールのハブもこの機会にオーバーホールしています。
こちらにはグリスアップ等をした形跡はなく、メーカーで充填したグリスが綺麗な状態でした。
ワンと球押しも、精密研磨された面にスジ状の球当たりの跡が薄っすらと付いた、非常に良好な状態でした。

部品を洗浄した後、質の良いグリスを充填して組み上げ、調整しました。
DURA-ACEグレードのハブ特有の、シールの抵抗を感じるものの非常に滑らかな回転具合に調整することができました。

どちらのハブも回転具合の調整はできていますが、デジタルアジャストシステムのハブなので、どちらハブも理想的な状態よりも若干締まり過ぎの状態です。

ハブのオーバーホールの後、ホイールの振れ取りとセンターの調整を行いました。

後ホイールは、大きめの横振れが2ヶ所あり、僅かにセンターがノンドライブ側にズレていました。
スポークのテンションが全体的に低い状態だったので、ドライブ側のスポークのテンションを上げてセンターを逆方向に若干ずらしながら振れを調整した後、ノンドライブ側のスポークのテンションを上げて振れを取りながらセンターを調整しました。
スポークテンションは、標準的なスポークテンションよりも若干高い状態にしてあります。

前ホイールは、使用していれば出る程度の軽度の縦横の振れがありましたが、センターのズレはありませんでした。
スポーク数が16本ホイールで、かなりスポークテンションが高い状態のホイールですが、リムが蛇行することは無く、追い込んだ調整をすることができました。