FLUENTE店長の四方山話

自転車について徒然につづっています。

完組ホイールの点検・調整




FLUENTEでは、完組ホイールの点検・調整、オーバーホールを承っております。
FLUENTEまでご相談ください。

FLUENTE
TEL&FAX 03-5426-3868
http://fluente.jp/



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お客様より完組ホイールの点検・調整を承りました。

2015モデルのFLUCRUM RACING 0 です。

箱から出してハブの回転の具合を確認したところ、フロントハブのスムーズさに比べるとリヤハブの回転にベアリングのコツンとした手応えを感じたので、お客様ご自身で調整してみたのですが変わらなかったそうです。
改めて調整してハブの回転の具合を改善して欲しいとのご依頼です。

ホイール全体の点検・調整もされていない可能性が高いので、ハブだけで無くホイール全体としての点検・調整も行うことを提案させていただき、作業を承りました。

ハブの回転の具合をチェックすると、お客様のお話しのとおり、フロントハブはスムーズな手応えですが、リヤハブはベアリングのコツンという手応えを感じます。
ハブは USB 仕様ですが、2015モデルは所謂銀ワンになっていて球当たりの感触は改善されたはずです。

リヤハブの球当たりをガタのの出ないギリギリの状態に調整しましたが、ベアリングのコツンという手応えを消すことはできませんでした。
このままホイールを使用して、ハブの回転の当たりを出すしかないようです。
ハブの当たりが出た時点でハブをオーバーホールして、再び球当たりを追い込んだ調整にすると良いでしょう。

フロントハブはベアリングの径とシャフトの仕様が変わった新タイプです。
ハブのアジャスト側のエンドキャップが緩まずに反対側のエンドキャップが緩んでしまうと、後の対処が非常に面倒なことになるので念のためにエンドキャップを緩めてみましたが、問題無くアジャスト側のエンドキャップが緩みました。

ホイールとして点検したところ、フロント、リヤ共に、やや大きめの縦振れと僅かなセンターのズレがありました。
リヤホイールはノンドライブ側にズレているので単純にドライブ側を増し締めしてセンターを出す訳にはいきません。
ドライブ側は限界に近い非常に高いスポークテンションでスポークが張ってあるのに加えて、カンパ/フルクラム のアルミスポークのモデルは、太いネジに強目のネジロックが使用されているとただニップルを回すだけでも困難な場合があります。

ネジロックがどの程度効いているのかを調べて、ニップルの回りを確保するために、まずは全体的にニップルを緩めます。
ネジロックが強く効いていて、緩める方向にニップルを回すのにも慎重に行わないと、アルミ製のスポークが捻れてしまったりアルミ製のニップルの角が崩れてしまいそうです。
慎重に作業を進めましたが、ニップルが一箇所だけどうしても回すことができません。
スポークが捻れてしまうのでは無く、カンパ/フルクラムのニップル回しを使用してもニップルの角が崩れてしまいそうなので、作業を進められませんでした。
急遽、手持ちの工具をニップル回しとして使えるように加工しました。
新たなニップル回しを使用することで、無事にニップルを回すことができました。

全てのニップルを若干緩めるてからニップルの回りを確保して、振れ取りとセンター出しの作業をしました。

リヤホイールは 2:1 のスポークパターンなので、振れ取りの精度を高めるには限度がありますが、2:1のスポークパターンのホイールとしては高い精度で振れ取りができました。
センターのズレも調整してあります。

フロントホイールは、スポークが 18本のためか僅かに蛇行しています。
こちらもセンターのズレを調整してあります。