Cレコードクランクのチェーンラインを調整しました。
あけましておめでとうございます。
本年もこのブログをよろしくお願いします。
それでは、本年最初の記事です。
お客様より、ロードバイクの点検調整を承りました。
チネリスーパーコルサ。 殆どがカンパニョーロの部品で組まれています。
中古を入手されたとのことでしたが、リヤディレイラーの動きが悪く、変速が思うようにできないので調整して欲しいとのご依頼でお持ち込みされたものです。
リヤディレイラーの動きの悪さは、テンションスプリング部内部に封入されていたグリスが粘土のように固まり、テンションスプリングが殆ど効いていないために起こっていました。
リヤディレイラー以外を点検していくと、クランクが外側に付き過ぎているのが目に止まりました。
チェーンラインを測定してみると50.2mmあります。
カンパニョーロのハブのチェーンラインは、43.5mmに設定されているので、クランク側のチェーンラインも合わせて組まなければなりません。
スクエアテーパーのクランクシャフトとの嵌合具合を見ても、嵌合が浅くテーパー部の半分以下しか嵌め合わされていないのがみて取れました。
これは、JISテーパーのクランクシャフトと組み合わせてあるために起きていることです。
使用されているCレコードのクランクのテーパー嵌合部はISOテーパーになっていて、JISテーパーの方が太いのでクランクの嵌め合いが浅くなってしまいます。
ISOテーパーを採用した適切な長さのシールドBBに交換して、クランクとシャフトの嵌合状態を改善し、チェーンラインを調整することにしたました。
Cレコードクランクには、ワンキーリリースが採用されているためクランクを外すにはフィキシングボルトを緩める方向に回せば外れます。
フィキシングボルトのアーレンキーのサイズに、アーレンキーのセットには含まれていない7mmが採用されています。
画像上が外したシールドBB。 シマノBB-UN 72で長さが115.5mmありました。
これを画像下側のトウケンのシールドBB、ISOテーパー 111mmに交換します。
Cレコード純正のBBは、カップ&コーンタイプでしたが、クランクシャフトの規格はISOテーパーで長さ111mmでした。
イタリアブランドのフレームなので、BBのネジ規格はイタリアンです。
外したシマノのシールドBBのテーパー部の嵌合跡が、テーパー部の半分以下しか付いていないのがみて取れます。
シールドBBを交換して、クランクを組み付けました。
スクエアテーパー部の角度が適切になり、テーパー部の2/3程度まで嵌合しています。
この程度までクランクとクランクシャフトが嵌め合わされている状態が正常です。
チェーンラインを測定すると、43.5mmでした。
変速操作をしてみると、クランクが適切なチェーンラインに設定されてチェーンの捻れが減ったために、変速機の作動がスムーズになりました。