FLUENTE店長の四方山話

自転車について徒然につづっています。

アワーレコードあれこれ

先日、アワーレコードの新記録達成というニュースが配信されました。

アワーレコードなんて久しぶりの話題だ。
記録が51.115kmなんて凄い!
それまでの記録は、49.7kmなはず。
一気に1km以上更新するなんて、と写真を見ると

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あれっ、DHポジションで走っているし、ディスクホイールだし、エアロヘルメットも被ってる。
どうして?

調べてみたら、UCIが今年の5月にルール改正して、自転車などの機材がパシュート競技用に準じたものを使用できるようになっていた。
この機材を使ってなら、一気に1km以上の記録更新も納得。
以前の記録は、メルクスが1972年に新記録を達成したときに使用した機材に準じた機材を使用するというルールにおいて達成されたもので、ドロップハンドルにローハイトリムのスポークホイール、スチールフレームでエアロヘルメットも禁止という、まるで競輪選手がそのまま走っているかのようだった。
今回の記録は、DHポジションにディスクホイールとエアロヘルメットという、空気抵抗をかなり減らせる条件下でのものなので、新記録が出て当然でしょう。

アワーレコードっていうと、私なんかモゼール思い出します。

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モゼールの記録は、メキシコシティの高地で記録されたものではあるけれど、51.151kmと今回の記録を上回っている。
ディスクホイールを装備したフロントが小径のファニーバイクを使用しているけど、DHポジションをとっていないので(この時代自転車競技の世界ではDHポジションが採用されて無かった)今回の記録を出したイェンス・フォイクトよりも空気抵抗の面でかなりのハンデになっている筈で、それは写真からも分かると思う。(重量で比べたら、モゼールのマシンは10kg以上、ディスクホイールは片方で2kg以上と、とんでもないハンデが有るけれど、アワーレコードでは大きなファクターではないのであえて取り上げない)
それでも今回の記録よりも早いのは、モゼールの能力の高さを証明しているようなものだ。

アワーレコードの記録が、以前のような高い評価を受け話題性も高まることを期待してのルール改正だったようですが、今回の挑戦と新記録達成でUCIの思惑通りといったところかもしれません。
でも、こんな機材を使用しても良いのなら、何故モゼールの記録が参考記録扱いのままなのか釈然としません。

アワーレコードの話題性を高めたいなら、以前のように何でも有りのルールを採用して、モゼール以降の記録も正式な記録として認め、ボードマンがスーパーマンフォームで出した56.375kmを最高記録として扱うのが一番良い方法だと、あの熱いアワーレコード更新の数々を見てきた世代の人間としては思ってしまいます。