FLUENTE店長の四方山話

自転車について徒然につづっています。

フロントフォーク考 2

フロントフォークですが、近年、カーボンやアルミに限らずクロモリでもストレート形状のものが多くなってきています。

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作り易くて、コストも安く、格好良いというのがストレートフォークが増えた理由なのでしょう。

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クロモリのストレートフォークは、25年程前にコルナゴが採用を始めて、大々的にアピールしたのが世に広まったきっかけだったはずです。
写真は87年モデルのコルナゴマスター。
まだ、ベンドフォーク仕様です。

コルナゴがストレートフォークを採用したことは、当時雑誌などでもセンセーショナルに扱われ、お世話になっていたビルダーさんのところでも「体重とパワーの有る人にはかなり良い」とか「思ったよりも乗り心地は悪く無いらしい」など、様々な話しが飛び交っていました。
とりあえず使ってみないと分からないのでストレートフォークをオーダーすることにしました。
当時の体重は54kg、パワーが無く回転で走るタイプなので、ビルダーさんがむやみに硬くならないようにと考えて、柔らかめのプレスのフォーククラウンとブレードには0.8mm厚のチェーンステー材を採用してくれました。
オフセット寸法は変えていません。

組み付けて乗ってみた印象は、路面からの振動をダイレクトに感じるようになり、荒れた路面ではフロント周りが跳ねるような感触でした。
スプリント的なダンシングで自転車を左右に振ると、フォークブレードのヨレが少ないためか反応が良く、ダンシングしながら左右に進路変えることがやり易く面白い程でした。
ダウンヒルでのコーナリング時には、ステアリングの反応が良くなっていましたが、過剰な程ではありません。
コーナリング中、常にフォークが突っ張っているような感触があり、特にバンクさせている時間が長いコーナーでは不安感が付きまとい、安心して走れませんでした。

一通りストレートフォークの感触が分かりあまり良い印象では無かったので、オリジナルのベンドフォークに戻しダッシュやターンを繰り返して出た結論は「自分の体重とパワーと使い方を考えると、オリジナルのフォークがベストな選択」でした。
特に、ターンをしたときの安心感は思わず「コレコレ」と声に出た程でした。
外したストレートフォークはレース仲間に譲って、それ以来クロモリのストレートフォークを使うことを選択肢に入れなくなりました。

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クロスバイク採用させていることが増えているアルミのストレートフォークでは、アルミフレームの乗り心地の硬さからすると意外な程乗り心地の悪さを感じません。
太目のタイヤを採用していることもあってか、コーナリング中の不安感もあまり感じず、十分に使える印象を持っています。

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いまや、ロードバイクでは圧倒的多数に採用されているカーボン製のストレートフォークですが、カーボン製の場合は、デザインが優れていれば繊維の方向やプライ数、形状によって幅広く剛性と振動吸収性が調整出来るので、金属製のストレートフォークが持っている欠点を殆ど感じることはありません。
カーボンフォーク同士を比べたときに、ベンドフォークの方が乗り心地が良く扱い易いとは感じます。

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レースでの使用が認められてから、一気に採用されることが多く成ったシクロクロス車のディスクブレーキですが、殆どのモデルにカーボン製、金属製を問わずストレートフォークが採用されています。
ディスクブレーキは、左側フォークブレードの先端部に制動力が集中するために、ベンドフォークではフォークブレードがヨレてステアリングが振られるために、ストレートフォークが採用されています。。

ツーリングモデルやロードバイクにも採用され始めたディスクブレーキですが、制動時に必要なフォークの剛性と乗り心地や安心感のために必要なフォークのしなやかさを両立させて行く必要があります。