FLUENTE店長の四方山話

自転車について徒然につづっています。

グレッグ・レモンのペダリング

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このところ、歴代のチャンピオンの映像を検証しています。

ペダリングクリートのセッティングを中心にみているのですが、グレッグ・レモンの映像を見て?と思いました。

今迄、レモンのペダリングを注意して見たことが無かったのですが、写真ではかなり踵を下げてペダルを踏んでいます。踵を下げてペダルを踏んでいるとアンクリングをしていることが多いので、動画で確認してみると、踵が下がった状態のまま足首を動かさずにペダリングしていたのでした。
ペダリング中、足首を動かさずに踵を上下させないので、動画で見るとペダリングが円くスムーズに見えます。

早速、フラットペダルで真似てみました。

ペダルに浅く足を乗せて、踵を下げると言うよりも爪先を上げる感じで、足首を動かさずにペダリングしてみます。
サドルポジションは30mm程後ろに引いた方がペダルを踏み出し易くなりました。
かなり前後方向の動きを意識したペダリングになり、踏み出しが早まり引き足を意識し易くなりました。
ハムストリングへの負担が大きく増えましたが、出力も出ている様で毎日登っている坂では、1枚重いギヤを使えスムーズなペダリングを維持できます。
平地でもケイデンスを高く保つことができて、スムーズなペダリングを維持し易く感じます。
ただ、ハムストリングへの負担が大きく増えるのと、爪先を上げた状態で足首を固定するために使っている脹脛外側の筋肉に負担がかかり、鍛えないと長続きしません。

ペダリングのお手本といえば、イノーの足首を動かさないペダリングが良く取り上げられてきましたが、イノーもレモン程ではないにしても、踵がさがり気味のまま足首を動かさないペダリングをしていて、ペダリングの傾向は似ています。
両者ともサドルポジションを後ろに引いたセッティングにしていて、クリートは浅くセッティングされています。

レモンのサドル位置のセッティングは、現役時代のインタビューで、ペダルを3時の位置にして膝の皿から前方へ10mmの所がペダル軸と一致するようにしていると答えていましたが、前乗りの傾向にある私には、サドルをそんなに後ろに引いたセッティングにするなんて信じられませんでした。
今回、フラットペダルを使用してペダリングを真似てみると、サドル位置を大きく後ろに引いたセッティングになることが分かりました。

セオリーとされているペダリングのスタイルとはかなり異なりますが、レモンは、このペダリングでツール3勝、世界選手権2勝を挙げています。
実際に出力も出ていますし、スムーズなペダリングを維持し易く感じます。

もしかしたら、ペダリングのセオリーなど確立していないのかもしれません。

レモンの一番有名な走りと言えば、1989年のツール最終日に、シャンゼリゼのタイムトライアルでフィニョンを逆転して優勝を決めたことでしょう。
YouTubeにUPされています。
DHポジションを取っているのに、踵の落ちたペダリングでスムーズに足を回しています。