FLUENTE店長の四方山話

自転車について徒然につづっています。

WH-R500のリムを組み替えました。

FLUENTEでは、ホイールの組み替え、点検、調整、手組みホイールの企画・組み上げを承っております。
FLUENTEにご相談下さい。

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お客様より、シマノの完組ホイール WH-R500 のリムの組み替えを承りました。

グレードの低い完組ホイールですので、ハブに優れた特徴がある訳ではありません。
通常でしたらハブ、リム共に新しいホイールを組み上げることをご提案するのですが、今回のご依頼は特別です。

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ホイールを分解した後の画像ですが、シマノのハブのフリーボディ部に、新たに作られたフリーを取り付けるネジを切ったフリーボディがハブ体に固定されており、ホワイトインダストリーのフリーが取り付けられていました。
この改造されたハブと、ホワイトインダストリーのフリーを組み合わせて使用したいので、今回のリムの組み替え作業になりました。

できるだけ軽い、フロン用20Hとリア用24Hのリムということで、TNI AL22 のリムをお客様がお持ち込みなさっています。

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WH-R500 を分解してリム重量を計りました。
フロント20Hが 601g、リア24Hが588gあります。
このホイールのリムは500gを超えていることは承知していましたが、ここまで重いとは思っていませんでした。

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AL22 の重量も計っています。
フロント用20Hが378g、リア用24Hが368gでした。
TNI AL22 の公称重量は 390g±3% 。
計算上の最軽量は 378g ですが、今回測定したリムは、リア用の24Hが 368g と公称重量より5.5%程軽いものでした。

初めて組むリムなので、スポーク長さを確認するために、真鍮ニップルで仮組みして軽くテンションをかけています。
仮組みなので、ニップル穴の内側の仕上げ処理をしないで組みましたが、ニップル穴の内側の仕上げの悪さによる摺動抵抗を大きく感じる状態でした。
真鍮ニップルでこの抵抗ので大きさだと、摺動抵抗の大きなカラーアルマイト処理のニップル、特にブラックアルマイトニップルで組んだ場合、ニップル穴の内側の仕上げ処理をしないで組むと、ニップルが摺動抵抗が大きなために回せなくなり、スポークテンションが必要なところまで上げきれない状態になる可能性があります。

ハトメ無しのリムのニップル穴の内側は、必ず仕上げ処理を施してからでホイールを組むので問題はありませんが、スポーク数の少ないリムを組む場合、十分にスポークテンションを高める必要があるので、注意が必要です。

フロントは、φ2.0mm プレーンスポークを4本組、イタリアン。
乗り心地と転がりを重視したタンジェント組です。
リアは、ドライブ側にφ2.0mm プレーンスポークを4本組、ノンドライブ側にφ2.0-1.8mm バテッドスポークを6本組、イタリアンで組みました。
お客様のご希望で、シルバースポークにゴールドアルマイト処理のニップルを組み合わせてあります。

フロント、リア共に十分にスポークテンションを高めた状態に組み上がりました。

今回のリムでホイールを組む場合、φ1.5mm 程度のエアロスポークで組まれる例が殆どだと思いますが、φ2.0mmのスポーク20本で組まれたホイールとφ1.5mm のバテッドスポーク32本で組まれたホイールを乗り比べると、20本で組まれたホイールがたわんでいる事がわかります。
今回は、特に軽量なナローリムでホイールを組み上げるということもあり、剛性重視で、φ2.0mm プレーンスポークとφ1.8mmのバテッドスポークを採用しています。